歯のプチプチ音の原因は?知恵袋の相談例から探る正体と対処法

ふとした瞬間に、「プチプチ」「カチッ」と歯のあたりから音がして、不安になったことはありませんか。

噛んだときに音がする、歯がきしむように感じるなどの症状があると、「何か病気ではないか」と心配になり、知恵袋などで同じような経験を調べる方も少なくありません。

実際には、その音の原因は一つではなく、顎関節の動きや詰め物・被せ物の状態、歯を支える組織の変化など、さまざまな要因が関係していることがあります。多くの場合は緊急性の低いケースですが、中には早めの受診が望ましい場合もあります。

この記事では、歯の周辺で聞こえるプチプチ音の原因や考えられる疾患、受診の目安、原因に応じた対処法について、歯科の視点からわかりやすく解説します。

  • 歯のあたりでプチプチ音がする主な原因
  • 知恵袋などで見られる相談例と受診が必要な症状の見分け方
  • 痛みや腫れを伴う場合のセルフチェックと受診の目安
  • 原因に応じた治療法と日常生活で気を付けたいポイント
目次

歯のプチプチ音でよくある相談例と考えられる原因

歯のあたりから「プチプチ」「カチッ」といった音がすると、不安になってインターネットで検索したり、知恵袋などの相談サイトで同じような症状を調べたりする方も少なくありません。

しかし、歯の周辺で聞こえる音にはさまざまな原因があり、必ずしも歯そのものに異常があるとは限りません。顎関節や詰め物・被せ物、かみ合わせなどが関係している場合もあります。

ここでは、よくある相談例を参考にしながら、歯のプチプチ音が起こる主な原因についてわかりやすく解説します。なお、音だけで原因を判断することは難しいため、痛みや腫れ、噛みにくさなどの症状を伴う場合は歯科医院で診察を受けることが大切です。

食事中や口の乾燥時に起こる音

食事中に「キュッキュッ」「プチプチ」といった音を感じることがあります。こうした音は、食べ物を噛む際の歯や詰め物・被せ物、顎の動きなどが影響して生じる場合があります。また、硬い食品や水分の少ない食品を噛んだときには、普段より音を感じやすくなることもあります。

さらに、口の中が乾燥していると、唾液による潤滑作用が低下し、口腔内の組織同士や食べ物との摩擦が増えることで、音が気になりやすくなる場合があります。

痛みや腫れ、噛みにくさなどの症状を伴わず、一時的に音がする程度であれば、過度に心配する必要はないこともあります。まずはこまめな水分補給や、よく噛んで唾液の分泌を促すことを意識してみましょう。

詰め物や被せ物の不具合による空隙の異音

過去に治療した歯から音がする場合は、詰め物や被せ物の適合性が変化している可能性があります。長年の使用や強い力が加わることで、詰め物や被せ物にわずかな浮きや緩みが生じると、噛んだときに動きが生じて音を感じることがあります。

また、詰め物や被せ物と歯の境目に隙間ができると、細菌が入り込みやすくなり、二次カリエス(治療した歯に再びできる虫歯)の原因となることがあります。

音だけでなく、冷たいものがしみる、噛んだときに違和感がある、詰め物が浮いているように感じるなどの症状がある場合は、一度状態を確認してもらうと安心です。

治療が必要かどうかは、詰め物や被せ物の状態、虫歯の有無、噛み合わせなどを総合的に判断して決定されます。必要に応じて詰め物の調整や交換などが検討されます。

歯石除去後や重度歯周病で感じる小さな音

歯石除去やクリーニングを受けた後は、これまで歯石で覆われていた部分がきれいになることで、舌触りや噛んだときの感覚が変化することがあります。そのため、「カチッ」とした感触や、歯の間を空気が通るような違和感を覚える方もいます。

こうした変化は、多くの場合、一時的なものであり、時間の経過とともに気にならなくなることが少なくありません。

一方で、歯周病が進行すると、歯を支える骨や歯周組織が減少し、歯がわずかに動くようになることがあります。その結果、噛んだときに違和感や音を感じる場合があります。

歯のぐらつきや歯ぐきの腫れ・出血などの症状を伴う場合は、歯周病が進行している可能性もあるため、一度状態を確認してもらうと安心です。

歯根膜炎や歯根破折が引き起こす痛みと音

「プチッ」とした違和感や、噛んだときの鋭い痛み、歯が浮いたような感覚がある場合は、歯の根を支える歯根膜に炎症が起きている可能性があります。

歯根膜炎は、噛み合わせの強い力が一部の歯に集中した場合や、歯の根の先に炎症が起きた場合などにみられます。噛むと痛い、歯が浮いたように感じるといった症状が特徴です。

また、注意したい原因の一つに歯根破折があります。神経の治療を受けた歯は、歯質が大きく失われていることも多く、強い力が加わることで歯の根に亀裂や破折が生じることがあります。噛んだ瞬間に強い痛みを感じたり、違和感が続いたりする場合は、早めに状態を確認してもらうことが大切です。

歯根破折が疑われる主な症状

  • 硬いものを噛んだときに強い痛みや違和感があった
  • 噛むと痛みが続く、または歯が浮いたように感じる
  • 歯ぐきに繰り返し腫れや膿の出口(フィステル)ができる
  • 特定の歯だけで噛みにくさを感じる

顎関節症で耳の前に響くカクカクとした音

音が聞こえる場所が「歯」ではなく、「耳の前」や「あごの関節あたり」である場合は、顎関節症が関係している可能性があります。口を開け閉めしたときに「カクッ」「カクカク」「シャリシャリ」といった音がする場合は、顎関節の中にある関節円板の動きが影響していることがあります。

顎関節症は、食いしばりや歯ぎしり、片側だけで噛む癖、長時間の食いしばりなど、さまざまな要因が重なって起こると考えられています。

音だけで痛みや口の開けにくさがなければ、すぐに治療が必要ではない場合もあります。一方で、口が開きにくい、顎に痛みがある、食事がしづらいなどの症状がある場合は、症状に応じて生活習慣の見直しやマウスピースなどの治療が検討されます。

普段から上下の歯を接触させ続けないことや、左右どちらか一方だけで噛む癖を見直すことも、顎への負担を減らすために役立ちます。

歯科治療後に発生する皮下気腫とプチプチ音

抜歯などの外科処置を受けた後に、顔や頬が腫れ、皮膚を触ると「プチプチ」「パリパリ」とした感触を覚えることがあります。これは皮下気腫と呼ばれる状態で、治療中に空気が組織内へ入り込むことで生じる、まれな合併症の一つです。

多くの場合は、時間の経過とともに体内へ空気が吸収され、数日から1週間程度で改善します。

一方で、腫れが急速に広がる、息苦しさや飲み込みにくさがあるなどの症状を伴う場合は、速やかに処置を受けた歯科医院へ連絡しましょう。必要に応じて医療機関での対応が必要になることもあります。

自身で無理に患部を押したり、強く触ったりしないようにしましょう。

歯のプチプチ音が気になるときの受診の目安

「音はするけれど、すぐに歯科医院を受診した方がよいのだろうか」と迷う方も多いのではないでしょうか。

歯の周辺で聞こえる音には、一時的なもので経過をみられる場合もあれば、治療が必要な病気が隠れている場合もあります。

ここでは、ご自身で確認できるポイントと、歯科医院で相談した方がよい症状の目安について解説します。

痛みや腫れを伴う場合のセルフチェック項目

音だけで、痛みや違和感がなく、一時的な症状であれば様子をみられることもあります。一方で、痛みや腫れ、歯のぐらつきなどを伴う場合は、治療が必要な病気が隠れている可能性があります。

まずは鏡で口の中を確認し、次のような症状がないかチェックしてみましょう。

チェック項目考えられるリスク
噛むと鋭い痛みや違和感がある歯根膜炎・歯根破折
歯ぐきが赤く腫れている、膿が出ている歯周病・根尖性歯周炎
歯がぐらつく、噛みにくい重度歯周病・咬合性外傷
冷たいものだけでなく熱いものもしみる進行した虫歯(歯髄炎)

これらの症状がみられる場合は、自然に改善することは少なく、原因に応じた治療が必要になることがあります。症状が続く場合や悪化する場合は、早めに歯科医院で相談すると安心です。

歯ぎしりや食いしばりによる負担を減らす方法

歯ぎしりや食いしばりは、歯や詰め物・被せ物、顎関節などに負担をかけ、噛んだときの違和感や音に関係することがあります。これらは「ブラキシズム」と呼ばれ、睡眠中だけでなく、日中に無意識のうちに上下の歯を接触させている場合もあります。

ただし、歯ぎしりや食いしばりを自分の意思だけで完全になくすことは難しいため、まずは日中の歯の接触に気づき、顎にかかる負担を減らすことが大切です。ここでは、日常生活で取り入れやすい対策について解説します。

TCHの自覚とリマインダーによる意識改革

通常、上下の歯が接触しているのは、食事や会話の時間を除くと1日20分程度以下といわれています。普段は、唇を閉じていても上下の歯は軽く離れている状態が自然です。

しかし、無意識のうちに上下の歯を接触させ続けるTCH(Tooth Contacting Habit:上下歯列接触癖)があると、歯や歯を支える組織、顎関節に負担がかかりやすくなることがあります。

リマインダー法の例

  • 「歯を離す」「リラックス」などと書いた付箋を、パソコンやスマートフォンなど目につく場所に貼る
  • 付箋を見たら深呼吸をして肩の力を抜き、上下の歯が触れていないか確認する
  • 毎日繰り返し行い、「歯を離している状態」を意識する習慣を身につける

TCHが続くと、歯や歯を支える組織、顎関節に負担がかかり、噛んだときの違和感や顎の疲れなどにつながることがあります。まずは、「今、上下の歯は触れていないかな?」と意識することから始めてみましょう。

理想的な舌の定位置スポットを維持するコツ

歯や顎への負担を減らすためには、舌の位置も意識したいポイントの一つです。

普段、舌先が下の前歯の裏に当たっていたり、上下の歯の間に入っていたりする方もいますが、舌の位置によっては歯が接触しやすくなることがあります。

一般的には、舌先を上の前歯の少し後ろにあるふくらみ(スポット)に軽く触れ、舌全体を無理のない範囲で上顎につける位置が理想的とされています。この姿勢を意識すると、上下の歯が接触しにくくなります。

【 舌の位置を正すエクササイズ 】

舌の位置を確認する方法として、口を軽く閉じ、舌先をスポットに置いてみましょう。そのまま舌全体を上顎に軽く吸いつけるように意識すると、理想的な舌の位置を確認しやすくなります。

無理のない範囲で日常的に意識することで、上下の歯を接触させる癖(TCH)の改善にも役立つ場合があります。

舌の位置を意識すると、TCHだけでなく、飲み込むときの舌の使い方(嚥下)や口呼吸の改善につながる場合もあります

咬筋を緩めるセルフマッサージとストレッチ

食いしばりや歯ぎしりがある方では、頬の筋肉(咬筋)が緊張していることがあります。咬筋の緊張は、顎の疲れや違和感につながることもあるため、日頃から筋肉をリラックスさせることも大切です。

お風呂上がりや就寝前など、体が温まっているタイミングに行うと取り入れやすいでしょう。

セルフマッサージ

指の腹を使い、耳の少し前から頬にかけて、奥歯を軽く噛んだときに盛り上がる部分(咬筋)を、円を描くようにやさしくほぐします。強く押しすぎず、「心地よい」と感じる程度の力で行うことがポイントです。

日々のセルフケアとして取り入れることで、顎への負担を軽減する一助となる場合があります。

痛みが強い場合や、口が開けにくい場合は、無理にマッサージやストレッチを行わず、歯科医院で相談しましょう。

ナイトガード装着と睡眠環境の見直し

睡眠中の歯ぎしりや食いしばりは、自分の意思で止めることが難しいため、歯や詰め物・被せ物、顎関節に大きな負担がかかることがあります。その結果、歯がすり減ったり、修復物が欠けたりする原因になることもあります。

こうした負担を軽減する方法の一つが、歯科医院で作製するナイトガード(マウスピース)です。ナイトガードは歯ぎしりそのものを止めるための装置ではありません。

主な目的は、

  • 歯や詰め物・被せ物を守る
  • 顎関節への負担を軽減する
  • 噛む力を分散させる

ことです。

また、睡眠時の姿勢や枕の高さが合っていないと、顎や首まわりに負担がかかる場合があります。睡眠環境を整えることは、顎への負担を軽減する一つの方法として役立つことがあります。

症状が気になる方は歯科医院でナイトガードについて相談すると安心です。

ストレス管理と生活習慣のブラッシュアップ

ストレスや睡眠不足、生活習慣の乱れなどは、歯ぎしりや食いしばりに影響する要因の一つと考えられています。そのため、毎日の生活を少し見直すことも、顎や歯への負担を減らすために役立つ場合があります。

例えば、就寝前はスマートフォンの使用を控えたり、カフェインの摂取を見直したり、ゆっくり入浴や深呼吸をするなど、自分なりのリラックスできる時間をつくることも大切です。

こうしたセルフケアを続けながら、気になる症状がある場合は定期的に歯科医院で歯や噛み合わせの状態を確認してもらうと安心です。日頃から歯や顎への負担を減らすことが、お口の健康を長く保つことにもつながります。

歯科医院での精密な検査と診断までの流れ

歯のプチプチ音が気になる場合は、まず問診で「いつから症状があるのか」「どのような場面で音がするのか」「痛みや違和感はあるか」などを確認します。

その後、歯や歯ぐきの状態を目で確認する視診や、噛み合わせの確認、歯を軽く叩いて痛みや反応を調べる打診などを行い、必要に応じてレントゲン撮影を行います。

レントゲンだけでは判断が難しい場合には、歯科用CTを用いて歯の根や顎の骨の状態を立体的に確認することもあります。すべての方にCT検査が必要になるわけではなく、症状や診察結果に応じて選択されます。

音だけで原因を判断することは難しいため、歯科医院ではさまざまな検査結果を総合的に評価し、原因に応じた治療方針が検討されます。

分からないことや不安なことがあれば、遠慮せずに質問することも大切です。検査結果や治療内容について納得したうえで治療を進めることで、安心して通院しやすくなります。

歯のプチプチ音を知恵袋で解決するための総括

歯の周辺で「プチプチ」「カチッ」といった音を感じる原因は、口の中の乾燥や顎関節の動き、詰め物・被せ物の状態、歯周病などさまざまです。痛みや腫れがなく、一時的な症状であれば様子をみられる場合もありますが、音が続く場合や、噛んだときの痛み、歯ぐきの腫れ、歯のぐらつきなどを伴う場合は、原因を確認することが大切です。

また、日頃から上下の歯を接触させないことを意識したり、舌の位置や生活習慣を見直したりすることは、歯や顎への負担を軽減するためのセルフケアとして役立つ場合があります。

音だけで原因を判断することは難しいため、不安な症状が続く場合は、歯科医院で相談してみましょう。原因が明らかになることで安心につながり、必要に応じて適切な治療やセルフケアについてアドバイスを受けることができます。

毎日のセルフケアと定期的な歯科受診を続けながら、お口の健康を維持し、いつまでも快適に食事や会話を楽しめる状態を目指しましょう。気になる症状を一人で抱え込まず、気軽に歯科医院へ相談してみてください。

監修者情報

歯科衛生士 上田彩華

プロフィール

総合病院口腔外科勤務、歯科衛生士専門学校教員を経て、岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 歯周病態学分野にて歯周病学および感染管理について研鑽を積む。
現在はフリーランス歯科衛生士として、複数の歯科医院での臨床支援や院内研修に従事。また、歯科衛生士向けコミュニティ「DHAile」を主宰し、歯周基本治療教育やキャリア支援、セミナー活動を行っている。
「考えてできる歯周基本治療」をテーマに、根拠に基づいた予防・歯周ケアの普及に取り組んでいる。

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