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こんにちは。Mi dent、運営者の「K」です。「歯と歯茎の境目 触ると痛い」…。こんな症状が出ると、すごく不安になりますよね。「何か悪い病気かも?」と思って、つい「知恵袋」で同じような人がいないか検索してしまう気持ち、私もよくわかります。
歯と歯茎の境目が痛いといっても、歯茎が腫れて血が出るのか、歯磨きのたびにしみるのか、それとも1箇所だけ白いできものができているのか…症状は人によって様々かなと思います。もしかしたら、寝ている間の歯ぎしりが原因ということもあるかもしれません。
知恵袋にある体験談は参考になることもありますが、断片的な情報だけでは、ご自身の症状がどれに当てはまるのかを正確に判断するのは、やっぱり難しいですよね。
この記事では、その「歯と歯茎の境目の痛み」について、考えられる主な原因や、ご自身でできる対処法、そして歯科医院ではどんなことをするのか、といった点を少し掘り下げてみようと思います。

「歯と歯茎の境目が痛い」と一口に言っても、その原因は一つではありません。鏡で見える症状や、どんな時に痛むのかをご自身の状況と照らし合わせながら、どの可能性が高いかチェックしてみてください。
痛みの原因として最も一般的で、見過ごせないのが歯周病(歯肉炎・歯周炎)による炎症かもしれません。
主なサインとしては、
といったものがありますね。
初期の「歯肉炎」の段階では、炎症が歯茎だけに限られていて、歯磨き時の軽い出血くらいで痛みはまだ感じないことも多いです。でも、これが進行して「歯周炎」になると、炎症が歯を支える骨(歯槽骨)にまで達してしまいます。
歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)が深くなって、そこに細菌が溜まると、歯茎が大きく腫れて膿が出たり(歯槽膿漏)、歯がグラグラしてきたり、「物が噛めない」ほどの強い痛みが出ることもあります。
もし「ズキズキする強い痛み」を感じているなら、それはもう炎症がかなり進行しているサインかもしれません。歯周病は全身の健康にも影響すると言われていますから、歯茎の痛みは体からの警告サインと捉えるのがいいかなと思います。
虫歯ではないのに、歯と歯茎の境目(歯頚部)が「V字型」に削れてしまう症状を「くさび状欠損」と呼びます。
鏡で見て「あ、歯の根元がえぐれてる」と気づく方もいますし、「歯ブラシの毛先が当たるとピリッと痛む」「冷たい水や風がキーンとしみる」といった、いわゆる知覚過敏の症状で気づくことも多いですね。
この原因は、一つじゃないことが多いです。
「歯磨きが強すぎたかな」と自己判断しがちですが、実は根本的な原因として「歯ぎしり」が隠れているケースは非常に多いと言われています。この症状は自然には治らないので、放置するとどんどん削れてしまい、最悪の場合、歯が折れてしまうリスクも懸念されます。
先ほどの「くさび状欠損」と深く関係しているのが、歯ぎしりや食いしばりです。
自分では気づいていないことが多いんですが、睡眠中の歯ぎしりって、時にはものすごい力がかかっていると言われています。その強い力が歯の根元(歯頚部)に集中すると、歯の表面(エナメル質)が少しずつ剥がれ落ちたり、微細なヒビが入ったりします。
そこに、毎日の「強すぎる歯磨き」が加わるとどうなるでしょう?
歯ぎしりが歯を内側から脆くし、そこを強すぎるブラッシングが削り取る…。まさに「共犯関係」ですよね。これが、くさび状欠損が進行するメカニズムの一つと考えられています。
朝起きた時に「なんだか顎が疲れている」「奥歯が痛む気がする」といった自覚症状がある方は、歯ぎしりをしている可能性が高いかもしれません。心当たりがある場合は、歯科医院で相談してみると、夜間に装着するマウスピース(ナイトガード)を提案されることもありますよ。
歯と歯茎の境目が茶色や黒っぽく変色していたり、舌で触るとザラザラしたり、小さな穴が開いている感じがしたら、それは「根面う蝕(こんめんうしょく)」かもしれません。
これは、歯茎が下がることによって露出した「歯の根元」にできる虫歯のことです。歯の頭(エナメル質)は硬いんですが、歯の根元(象牙質)はそれより柔らかいため、一度虫歯になると進行が早いのが特徴です。
大事なのは、「なぜ、そこに虫歯ができたか?」です。
健康な状態なら、歯の根元は歯茎に覆われていますよね。それが露出しているということは、その前提として「加齢」や「歯周病」、あるいは「強すぎるブラッシング」などによって歯茎が下がった(歯肉退縮した)原因が既にある、ということを意味しています。
治療としては、単に虫歯を詰めるだけでなく、歯周病の管理やブラッシング指導といった、根本原因へのアプローチも必要になってくることが多いですね。
「歯と歯茎の境目が痛い」というのが、もし「歯茎の境目付近にできた”1箇所だけ白いできもの”を触ると痛い」という意味なら、「根尖性歯周炎(こんせんせいししゅうえん)」の可能性がかなり高いかもしれません。
これは、過去に神経を取った歯や、深い虫歯・外傷などで神経が死んでしまった歯の内部で細菌が増殖し、歯の根の先端(根尖)の周りの骨を溶かして、膿の袋を作ってしまう病気です。
その「白いできもの」は「フィステル(瘻孔)」と呼ばれ、骨の中に溜まった膿が外に出るための出口なんです。
フィステルは、よく「口内炎」と間違えられやすいです。でも、口内炎は白くえぐれた潰瘍で、触ると強い痛みが特徴ですが、フィステルはニキビのように中央がプクッと膨らみ、そこから膿が出ることがあります。
口内炎は自然に治ることもありますが、フィステルは歯の内部の感染が原因なので、自然治癒しません。放置すると感染が広がり、顔が腫れたり、激しい痛みを伴う急性発作を起こしたりすることもあるので、早急な対応が必要です。
この場合、根本的な歯の治療(根管治療)が必要になります。
歯周病への恐怖心から「しっかり磨かないと!」と力を入れすぎていませんか?
強すぎる歯磨き(オーバーブラッシング)や、硬すぎる歯ブラシ、太すぎる歯間ブラシの使用によって、デリケートな歯茎の表面を物理的に傷つけてしまっているケースもあります。
歯茎が擦り剥けて赤くなっていたり、ヒリヒリとした「すり傷」のような痛みがある場合は、これが原因かもしれません。
皮肉なことに、これが悪循環の入り口になることもあります。
この悪循環を断ち切るには、歯ブラシを鉛筆のように持つ「ペングリップ」にするなど、力のコントロールが不可欠ですね。
「普段は何ともないけど、特定の角度で噛むとピリッと鋭い痛みが走る」。こんな症状がある場合、歯にヒビが入ったり、割れたりしている(歯の破折)可能性も考えられます。
歯ぎしりや食いしばり、転倒などの外傷が原因のこともありますが、特に「神経を抜いた歯(失活歯)」や、「被せ物(クラウン)」が入っている歯は、経年的に亀裂が生じやすい状態にあります。
患者さんからは一見、綺麗な被せ物に見えても、その内部の「歯と歯茎の境目」あたりでヒビが入っていて、そこから細菌が感染して痛みや腫れを引き起こしているケースも少なくありません。

ここまで7つの主な原因を見てきましたが、他にも考えられるトラブルがあります。また、痛い時にどうすればいいのか、具体的な対処法についても触れておきましょう。
もちろん、痛みの原因は他にもあります。
歯と歯茎の境目が痛い時、良かれと思ってやったことが逆効果になることもあります。まずはNG行動から確認しましょう。
では、今すぐできる応急処置やセルフケアはどうでしょうか。
応急処置
根本的セルフケア(ブラッシング)
根本的セルフケア(歯磨き粉)
最近は、「知覚過敏ケア」と「歯周病ケア」の両方の成分を配合した製品も多く出ています。ご自身の症状に合わせて選んでみてください。
セルフケアを頑張っても改善しない場合、あるいは痛みが続く場合は、やはり専門的な治療が必要です。歯科医院での治療は、あなたの「痛みの原因」によって全く異なります。

「歯と歯茎の境目が痛い」という不安から、この記事にたどり着いてくださったかなと思います。
知恵袋で他人の体験談を探すことは、一時的な安心感にはなるかもしれませんが、あなたの口の中で起きている真実を特定することはできません。
その「痛み」は、くさび状欠損の「しみる痛み」かもしれませんし、歯周病が進行した「ズキズキする痛み」かもしれません。あるいは、歯が折れる寸前の「警告」という可能性もあります。
この記事で紹介した内容は、あくまで一般的な知識や情報提供を目的としています。ご自身の症状を整理するための一助としていただき、決して自己判断で放置せず、必ず歯科医師にご相談ください。
正確な診断と適切な治療を受けることが、あなたの歯と健康を守るための、最も確実な第一歩です。

〇〇歯科大学 卒業/都内複数の歯科医院にて勤務/○○年 ○○歯科クリニック 開院
皆様の歯の健康を「生涯のパートナー」としてサポートできるよう、丁寧なカウンセリングと分かりやすい治療を心がけています。治療に関して不安なことがあれば、どんな些細なことでもお気軽にご相談ください。